東日本大震災における子ども支援

第2回アジア子どもの権利フォーラム2011(日本大会)

11月20日、21日の両日、第2回アジア子ども権利フォーラムが、早稲田大学国際会議場で開かれました。
このフォーラムは、アジアのすべての国が批准・加入している国連子どもの権利条約を、共通の理念・手立てとして、すべての子どもが安全で健康な環境のもとで、自らの力を最大限に発揮し、アジアにおいて、「子どもにふさわしい世界」を創造していく上で、必要な視点や方法を探究するために始められました。第1回は、2009年に韓国ソウルで開催されています。

今回の日本大会は、未曾有の東日本大震災や原発事故に直面して、「子どもにふさわしい世界の創造、危機的状況下における子どもの権利の実現」を全体テーマにしています。アジアからは、ベトナム、インド、中国などからも、子どもたちのクリエイティブなアイディアを防災やまちづくりに活かしていくなど、報告がありました。

「東日本大震災における子ども支援」については、東洋大学教授の森田明美さんが報告を行いました。そのお話によれば、子どもの被災状況は、ほとんど明らかにされておらず、子どもの被災状況として明らかになっているのは、地震・津波による人的被害と教育環境被害です。緊急時には、大人の状況の把握と対応が、公の取り組みでは優先されており、子どもの生活に重要な「遊び」や仲間との交流、活動はNGOやNPOなどの活動に委ねられ、公では、十分な理解と支援がなされている状況にはありません。それは普段から、行政と子どもたちが参加する事業や、子どもを支援する事業が、位置付けられていないためではないでしょうか。

宮城・岩手県では、子どもたちが学校に戻り、日常を取り戻す取り組みが、教職員の力により行われ、相馬市では、「ふるさと相馬子ども復興会議」が教育委員会を中心に設立され、子どもたちの復興への意見を出す取り組みが展開されています。

セーブ・ザ・チルドレンが、7月に、震災半年に向けて、被災地域で10歳から18歳の子どもたちに行った調査では、8割以上の子どもたちが、自分たちも地域の一員として、復興に関与していきたいと考えていることがわかりました。
子ども参加を積極的に進めていくために、災害計画への子ども、子育て家庭への取り組みを明示する必要性を、森田先生は訴えていました。