スウェーデンでは、現在、電気を小売りしている121社の民間会社、自治体公社から、自由に選べることができます。また、毎月の電気料金の明細書には、価格の内訳が明確に書かれており、例えば、再生可能エネルギーの水力発電を選べば、明細の内訳の中に、水力100%、原子力0%などと明記されます。
「なぜ、このように、市民が電力会社を選べるようになったのか。」
それは、1996年の電力の自由化と、発送電分離を行ったからです。スウェーデンでは、国が国策として電力事業を行っており、もともと「発電」「送電、売電」が分かれていましたが、自由化によってさらに、「発電」「送電」「地域電線網」「売電」が切り離されました。そのため、電力小売市場新規参入が増え、1年の間に、電力小売会社を変えた家庭の割合は、全家庭の11%になりました。
再生可能な電力(風力、水力)や「グリーン電力」だけを扱ったり、そのようなオプションを提供する電力小売会社が、ここ4~5年大きく増えています。
スウェーデンでは、家を借りる時、送電線と電力小売と2つの会社と契約しなければならず、電力小売会社については、会社を比較するサイトや広告ちらしなどを見て、自由に決めることができます。
佐藤さんのお話を伺って、驚いたことは、「グリーン電力」など、自分の意志で電力小売会社を選べること、電気料金についても、1年間変動価格と固定価格から選択できるといった点です。
このように電力を自由化すると、停電など起こってしまうのではないかと危惧をする声も聞きますが、スウェーデンでは、まだそのような事故は一度も起きていないそうです。これまで、原子力発電が半分を占めていたエネルギー政策も、再生可能エネルギーなどにシフトしつつあるスウェーデンから、私たちが学べることは、沢山あるのではないでしょうか!!