障害者や高齢者にとって安全で利用しやすい都営地下鉄を

公営企業委員会での質問から

都庁前駅
都庁前駅
3月6日、東武東上線川越駅で視覚障害者の男性がホームから転落し、電車にひかれて亡くなるという、痛ましい事故が発生しました。
このような事故は過去にもあり、「東京視覚障害者協会」のまとめでは、1994年以降、視覚障害者の方が、駅のホームから転落して電車にはねられるなどして、死亡あるいは重傷を負ったのは、47人(うち死亡が22人)いることがわかりました。
今回の事故を契機に、「全日本視覚障害者協議会」から国土交通省や東武鉄道に、安全対策として、ホームドアの設置や点字ブロックの整備など求める要望書が提出されています。そこで、都営地下鉄のホームでの安全対策について取り上げ、公営企業委員会で質問を行いました。

都営地下鉄でも、毎年、概ね50〜60件の転落事故が発生していますが、ホームドアを設置済みの三田線では、発生していないことがわかりました。
現在、大江戸線では、ホームドアが設置されており、昨年の4月に清澄白河駅で最初に使用開始されてから、時計まわりに順次進められ、都庁前駅までの15駅で使用を開始しています。平成25年6月までに、全38駅への整備を完了する予定ですが、都営新宿線、浅草線へのホームドア設置には時間がかかりそうです。

東武東上線川越駅の事故では、視覚障害者の方が、点字ブロックの線路側を白い杖をついて歩いているうちに、誤って足を踏みはずしたとのことですが、通常、ホームから点字ブロックまでは、80センチ以上と規定されています。
都営地下鉄では、この事故以来、点字ブロックの内側にいわゆる内包線ブロックを敷設し、障害者の方の歩行の安全を確保しています。

私も、改めて様々な駅のホームの状況や、点字ブロックを点検してみましたが、普段、何気なく利用している駅で障害になっているのは、ハードの部分だけではなく、利用している私達が、無意識に点字ブロックに立って、障害になっていることもあるようです。ハード、ソフトの部分からのバリアフリーが大切だと実感しました。