地域を元気にする福祉と生活サポートの拠点づくり

先日、千葉市稲毛区にある「生活クラブいなげビレッジ虹と風」を視察しました。ここは、UR団地の再生事業として行われ、40年近く経過した古い住宅を、新しい住宅に更新するということではなく、地域の拠点としてのあり方を模索し、地域の生活と福祉の拠点として、生まれ変わりました。

施設の建設にあたって、平成22年に団地住民を対象に、千葉大学の小林秀樹先生の研究室による調査が行われ、「徒歩で日常の買い物ができる店舗や診療所」を望む声が多くありました。また、団地の高齢者の方は、元気で自立されているため、すぐには、介護保険サービスの利用がほとんどない状況でした。しかし、将来に向けた家事援助サービス、さらには地域全体の医療、介護、福祉サービスの拠点づくりが当初からの目的だったため、生活に関する多様な機能を整備しています。

グリーンプラザ園生(UR団地)には、高齢者施設棟「生活クラブ風の村いなげ」、小売店舗や生活サポートを行う「生活クラブ虹の街いなげ」の2棟が、昨年の夏オープンしており、24時間365日の見守りがあるサービス付き高齢者向け住宅を核とする複合施設になっています。施設は、木材が多く使われ、落着いた雰囲気で、施設というより旅館に来たような感じです。
この地域では、高齢者と子育て世代と2つの層の人たちが生活しているのが特長で、若い子育て世代の方々が孤立感をもたないように、児童デイサービスや、カフェなどの地域交流の場、相談事業など、様々なサービスを展開しています。

東京も、高齢化が急速に進む中、ひとり暮らしの高齢者も増えてきました。
地域で安心して住み続けるには、「いなげビレッジ」のような地域の支え合いの拠点や、コミュニティの核となるものが必要です。ここでの取り組みは、今後のモデルケースとして、注目していきたいと思います。