福岡といえば、昭和53年頃、大渇水があり、給水制限などを行ったことが記憶に残っていますが、水道水の安定した供給が大きな課題でした。
福岡都市圏では、人口の集中や都市化の進展、市民の生活レベルの向上等に伴って、水の重要が年々、著しく増加してきました。しかし、近郊に、これらの需要を満たす河川に恵まれないことから、筑後川水系水資源開発基本計画が決定し、筑後川関係者の理解と協力のもとに、水源が確保されることになりました。
そして、この開発の受け入れ体制として、昭和48年に福岡地区水道企業団が設立されています。この企業団は、福岡都市圏の6市7町1企業段事務組合により構成され、福岡都市圏への水道水供給事業を行っています。
その後、平成22年度を目標年次とする、福岡地域広域的水道整備計画が策定され、その中で、海水淡水化事業が位置付けられました。
「海水淡水化」とは、海水を蒸発させたり、特殊な膜を用いて、海水から塩分や不純物を取り除いて、淡水をつくることです。淡水化方式のひとつである「逆浸透法」は、逆浸透の原理を利用して、工業的につくられた半透膜(逆浸透膜)を収納した「逆浸透モジュール」に、加圧された海水を連続的に供給することで、海水から淡水を得るようにしており、まもなく、この施設ができてから1億トンの水が淡水化されます。
この施設の大きさは、東京ドームと同じぐらいの広さがあり、日本で一番です。「まみずピア」の愛称で呼ばれている海の中道奈多海水淡水化センターの最新の技術に驚きました。