「世田谷区子ども人権擁護委員からの意見表明」
世田谷区子ども人権擁護機関「せたホッと」は、2年前の夏にスタートし、これまで多くの子ども達からの相談に対応してきました。ここには、3人のサポート委員、相談、調査専門員4名と事務局がおり、電話やメールなどで相談に応じ、子どもの権利侵害に関する問題解決にあたっています。この春には、はじめて意見表明を行いました。
それは、通常学級における特別支援教育についての意見表明であり、区長や教育委員会に提出しています。そこで、生活者ネットワークの区議会議員、高岡じゅん子さんと田中みち子さんなどと「せたホッと」訪ね、サポート委員の一場順子さん(弁護士)などから、その内容と事情についてお話を伺いました。
平成26年度は、リーフレットやカードを世田谷区内の私立を含めた小学、中学、高等学校に配布した9月以降に相談が集中し、新規の相談件数は219件で委員と専門員の総活動回数は1726件にもなっています。子どもからの相談が6割を超えており、「せたホッと」が、子どもたちのホットする場所になりつつあるのかもしれません。
今回の意見書は、特別支援教育における人的支援を行う体制を学校支援員や講師、ボランティアなどで整備していくことを要望するものになっています。お話を伺えば、障がいがあるということでいじめ等の対象になってしまい、本人や保護者が苦痛に感じることになってしまうとのことです。また、障がいがあることが周囲から認識されていないものの学習上、個別的な指導や支援を必要とする場合も少なくありません。
担任だけでは十分な対応ができず、学級の運営が困難になり、特別な支援が必要になる場合もありますが、これらに対応するだけの体制が整備されていないのが現状です。そこで、どのように対応し、人的支援体制を整備するのか。今後は、区教育委員会に聞くとともに、小学校「特別支援教室」の導入を進める東京都にも、取組みについて確認していきたいと思います。