「幼い命を守るために」
今年の夏、寝屋川市で中学生2人が深夜外出し、犯罪に巻き込まれ亡くなるという痛ましい事件がありました。毎日のようにテントをもって外出していた女の子の家庭がどのようなものであったのかは、わかりませんが、今社会的擁護の必要なお子さんは、実際には7万人ぐらい全国でいるのではなないかと言われています。
東京都では、11の児童相談所があり、養育相談、非行相談、里親に関する相談など面談や電話などで受けています。新宿区にある「東京都子ども家庭総合センター」は、児童相談センター(福祉保健局)、教育相談センター(教育庁)、警視庁新宿少年センターの3つの相談機能があり、それぞれの専門性をいかしながら、児童虐待、不登校、非行など様々な問題を抱える子どもと家庭を支援しています。
この家庭総合センターは、平成25年に新設されました。開設から2年、どのような取組みが進められているのか、小松久子都議とセンターをお尋ねして、事業の内容や取組みについてお話を伺いました。
虐待相談に関する件数は、年々増加傾向にあり、平成25年度は、東京都で受ける件数は、5414件、区市町村が9479件です。一時保護所に入所するお子さんの数も年々増加傾向にあり、家庭内暴力などで警察に保護されたりする場合も多いようです。ここにある児童相談センターは、中央児童相談所の役割も担っているため、相談室もきめ細やかな対応ができるようデザインや色合い、椅子の向きなど、いろいろ子どもや相談にくる大人に、配慮されていました。
児童相談所は、18歳未満の子どもに関する相談であれば、本人、家族、学校先生、地域の方など、誰でも相談できることになっています。
寝屋川市の中学生殺人事件は、事件になる前に大人が通報したり、子どもを一時保護したりすることが出来ていれば防げたことではなかったでしょうか。
幼い命が奪われるような事件が後を断たない状況の中で、子どもの人権を守っていけるよう、児童相談所を中心に、関係機関や地域の取組みが大切だと改めて感じました。