「八ッ場ダム予定地、納得できない住民も」

八ッ場ダム予定地を見学するため、2年ぶりに川原湯温泉駅で列車を降りました。もうすでに、あのなつかしい旧駅は姿も見えず、高台に新しい駅舎が建てられていました。列車で来たときは、駅が近づくと吾妻渓谷の美しい眺めが目に入るのですが、すでに鉄道の付け替えが行われ、到着前数分はトンネルの中で、周りの風景も見ることが出来ませんでした。

 

 

今日の見学会を企画した「八ッ場あしたの会」の皆さんの案内で、代替地等を回りましたが、本体工事が始まった八ッ場ダム建設現場を見下ろすため、「やんば見放台」などという展望台がつくられ、水没予定地も見渡せるようになっています。日曜日だったため工事は行われていませんでしたが、掘削された土砂が、川の脇に積まれ、昔の温泉街に続く道はもう封鎖されており、「川原湯温泉」の看板だけ残っていました。紅葉の美しい季節、吾妻渓谷が美しい季節でもあるのに、今は、工事現場の重機やセメントをつくるための貯蔵施設が目につきます。また、有害スラグが工事で大量に使用され、移転地にもまかれているとのことです。

 

ダムの底に沈む予定地では、まだ、何軒か家が残っています。田んぼを耕している農家もあり、このダム建設のやり方に納得できず、生活を続けている人もいました。代替地に移った人の家もまばらです。

ほんとうに予定通りダムが建設されれば、ここで生活をしていた人達の生活が保障され、穏やかな日常がもどってくるのか、とても疑問に感じます。

 

ダムの本体工事のため山肌が削られている