フィンランド型の子育て支援

フィンランドは、男女共同参画社会が進み、世界経済フォーラムが発表する、ジエンダーギャップ指数は世界2位で、女性の大臣や判事など政治、経済界などでの女性の活躍が晴らしい国で知られています。

そのフィンランドで早くから取り入れられている「ネウボラ」が、今注目されています。ネウボラという言葉は、アドバイスする場所という意味で、妊娠期から就学前までの子どもの健やかな成長・発達の支援はもちろん、母親、父親、兄弟、家族全体の心身の健康サポートを目的としています。

基本的には、妊娠期から子どもが小学校にあがるまで、かかりつけの保健師(通称ネウボラおあばさん)が、サポートするもので、お互い信頼関係が築きやすく、問題の早期発見、予防、早期支援につながっています。

 

 

ネウボラは、乳児死亡率・周産期死亡率が高かった1920年代に、安全な出産と母子の健康状態の向上を目指して主に小児科医や保健師らが取り組み始めました。1944年に市町村自治体に出産・子どもネウボラの設置が義務づけられ、現在は、ほぼ100%の親が利用しているそうです。

妊婦検診を受信すれば母親手当て(育児パッケージまたは現金140ユーロ)を受け取ることが出来ますが、はじめてのお子さんの場合、現金より子育て用品が揃っている育児パッケージを受け取る人の方が多いという話も聞きました。

 

 

昨日、世田谷美術館で、「おむつなし育児研究所」の会主催で、この育児パッケージが展示されました。箱は、赤ちゃんの最初のベッドとしても活用できるようになっており、布のオムツにかわいいベビー服など、ぎっしりと詰まっていて、子育てが楽しそうです。

おむつなし育児研究所東京サロンの代表、深山さんと

現在、このネウボラの日本版導入がいくつかの区市町村で検討されており、東京都も今年度から「ゆりかご・とうきょう事業」として予算がつけられています。本格的にこの制度が活用されるのは来年度のようですが、身近な地域で、ワンストップで、利用者の立場にたった切れ目のないサポートを提供し、家庭と行政と地域社会が一体となった子育て支援を行っていけるような制度をつくっていくことが必要だと思います。